【 七菜 】 | 「あぁんっ、もうっ、お兄ちゃんってば、まってよぉ!」 |
【 四郎 】 | 「うん?」 |
七菜がテッテッテッテっと俺の後を小走りで追いかけてくる。 一緒に歩いているはずだったんだが、少しでも会話しない状況になると、七菜はすぐに遅れてしまう。 |
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【 七菜 】 | 「もう、お兄ちゃん、歩くの早すぎだよぉ」 |
小走りで追いかけ、俺の横に並んだ七菜が口を尖らせる。 | |
【 四郎 】 | 「七菜が遅すぎなんだよ。俺は至って普通だぞ?」 |
【 七菜 】 | 「全然、普通じゃないよ。そもそも、お兄ちゃんと七菜じゃ、歩幅が違うんだから……」 |
【 七菜 】 | 「少しは七菜のこと気遣って歩いてくれてもいいのに……昔からお兄ちゃん、七菜に意地悪ばかり するんだから……」 |
【 四郎 】 | 「待て待て。俺は意地悪なんてしてないぞ」 |
【 七菜 】 | 「してるよぉ、帰りだけじゃなくて、朝もいっつも七菜ばかり置いてきぼりされて……追い着くの大変なんだから」 |
【 七菜 】 | 「たまには七菜に合わせて歩いてくれてもいいのに……」 |
むすぅ~っとした表情で、七菜が恨めしそうに俺を見る。 | |
【 四郎 】 | 「ふぅ、わかったよ。今度からは出来る限り七菜に合わせるように気を付けるから、そんな顔で見るなって」 |
【 七菜 】 | 「そう言いながら、お兄ちゃん、さっそく歩くのが速くなってるよ」 |
【 四郎 】 | 「えっ、そうか? う~ん、意外と難しいなぁ……」 |
【 七菜 】 | 「へへ、それじゃ、こうすればいいんだよ!」 |
笑顔でそう言うと、七菜はぴょんっと跳ねるようにして、俺の腕に自らの腕を絡めてきた。 | |
【 四郎 】 | 「おわっ、ちょっ……」 |
うおっ!? またしても七菜のおっぱいが腕にモロに!? | |
七菜が腕を絡めて身を寄せてきた結果、豊満すぎる七菜の乳房がムニムニと押し付けられてきた。 | |
毎度のことながらこの柔らかくて温かい感触は……。 | |
【 四郎 】 | 「っ……っ……」 |
ヤバイこと、この上ない。 | |
フニフニとしたおっぱい独特の気持ちいい感触に、さっそくドキドキと心臓が高鳴ってくる。 | |
【 四郎 】 | 「お、おい、七菜。ちょっとくっつきすぎだって……」 |
【 七菜 】 | 「そんなことないよ。お兄ちゃんは七菜のお兄ちゃんなんだから、このくらい当たり前だと思うけどなぁ」 |
【 四郎 】 | 「いや、当たり前ということはないと思うけどなぁ」 |
少なくとも身近な所で葉月に弟がいて仲も悪くないと思うけど、俺と七菜のようにべたべたじゃない気がする。 | |
【 四郎 】 | 「とにかくだな。夏なのにそんなにくっついたら余計に暑いだろ? だからさ、とにかく腕を絡めるのは 止めようぜ、な?」 |
そう言い訳しつつ、七菜の腕組みを強引に崩そうとする。 | |
【 七菜 】 | 「あんっ、だめだってばぁ」 |
が、七菜はギュッとしがみつてきていて、どうしても離れてくれない。 | |
それどころか腕を離そうと動かせば動かすほど、七菜の巨乳に腕が当たって、何とも心地よい感触が伝わってくる 始末……。 |
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うぁ、こ、この感触っ、ヤバイすぎっ! | |
七菜は妹なんだぞ? いや、正確に言うと違うんだけど……。 | |
と、とにかくだ! 七菜は俺にとって、大事な存在なんだ! この程度ことで心を乱してどうする! | |
し、しかし、この感触……あぁ、ダメだ。気持ちよすぎる……。 | |
俺はお兄ちゃんなんだ! と、意気込んでみるものの、七菜の魔乳の前には、さほど効果があるわけでもなく、 おっぱいの感触に頭の中がトロトロになってしまう。 |
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【 七菜 】 | 「へへ、こうやって、二人だけで帰るのって久しぶりだよね~」 |
そんな俺の葛藤もつゆ知らず、七菜はニコニコと嬉しそうにスリスリと身体を寄せてくる。 | |
【 四郎 】 | 「うっ、ちょっ……な、七菜……マジで離れないか?」 |
【 七菜 】 | 「むぅ、そんなに邪険にしなくてもいいのに……」 |
【 七菜 】 | 「もしかして、お兄ちゃん、七菜のこと嫌いだったりするの?」 |
【 四郎 】 | 「そうじゃないって。嫌ってなんて、そんなことあるわけないだろ? ただ、その……」 |
【 七菜 】 | 「ああ、もうっ、モロに当たっちゃってるんだよ!」 |
できればダイレクトに指摘するようなことはしたくなかったが、このままでは己の理性が持たないと判断し、 七菜に直接、胸が当たってることを言葉で指摘した。 |
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【 七菜 】 | 「ふぇ? モロに当たってるって何が?」 |
七菜自身、おっぱいのことは全く自覚がないのだろう。俺の指摘に七菜は、きょとんと首を傾げた。 | |
【 四郎 】 | 「いや、だから、その……む、胸だよ、胸! 七菜のおっぱいが思いきり右腕に当たってるんだよ!」 |
半ばやけくそ気味に、よりハッキリと言葉にして七菜に伝える | |
【 七菜 】 | 「えっ、おっぱいって……あっ……」 |
俺の指摘にようやく状況を理解してくれたのか、七菜の頬がほんのりと赤く染まっていく。 | |
でも、七菜は俺の腕から離れることはしなかった。 | |
【 七菜 】 | 「そっか、それでさっきからそわそわしてたんだ。もう、お兄ちゃんってばエッチなんだから……」 |