| 【 響 】 | 「あれ? 五十鈴じゃないか」 |
昇降口から校門前に出た所で、ぽつりとひとりぼっちで立っている五十鈴の姿を見つけた。 |
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| 【 響 】 | 「もしかして、俺を待ってたのか?」 |
| 【 響 】 | 「おーい、五十鈴!!」 |
しょんぼりした顔で立っている五十鈴に、声をかけながら駆け寄っていく。 |
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| 【 五十鈴 】 | 「あっ、お兄ちゃん!」 |
俺の声に五十鈴はとても嬉しそうにはにかみ、俯き気味だった顔を俺の方へと向けた。 |
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| 【 響 】 | 「もしかして、俺のこと待ってたのか?」 |
| 【 五十鈴 】 | 「うん。もしかしたら、まだ学校にいるかなって思ったから」 |
俺の問いかけに、照れくさそうに答える。 |
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| 【 響 】 | 「メール送ってくれれば良かったのに。もし、俺が先に帰ってたら、待ちぼうけくらわせちゃうところだったじゃ ないか」 |
| 【 五十鈴 】 | 「そうなんだけど、迷惑かなって思って……」 |
照れくさそうに頬を赤ら、遠慮がちに答える。 |
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| 【 響 】 | 「メールくらいで迷惑だなんて思うわけないだろ? まったく、五十鈴は遠慮しすぎなんだよ」 |
やれやれとばかりに苦笑すると、俺は右手で五十鈴の頭を撫でてやった。 |
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| 【 五十鈴 】 | 「やんっ、そんなにしたら髪の毛がくしゃくしゃになっちゃうよ」 |
そう口を尖らせる五十鈴だったが、その表情は怒っているどころか嬉しそうだ。 |
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| 【 響 】 | 「そういや、今日は部活はいいのか?」 |
| 【 五十鈴 】 | 「今日は部会があって、お休みだから大丈夫」 |
| 【 響 】 | 「ああ、なるほど。んじゃ、一緒に帰るか」 |
| 【 五十鈴 】 | 「うん!」 |
とても嬉しそうに頷き返す五十鈴と一緒に、俺は校門前を後にした。 |
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