なんで伊桜里さんが隣で寝てるのか?
 あれこれ思いだそうとするが、まったくもって覚えがなかった。

【 秋人 】 「はぁ」
 

 俺に覚えがないってことは、伊桜里さんが俺が寝ている最中に勝手に入って来たっていうことになる。

【 秋人 】 「前に何度かあったっけか……」
 

 俺と少しでも仲良くなりたい。本当の親子になりたい。そんな思いから、伊桜里さんは過去に何度か勝手に
 ベッドに入ってきたことがあった。

【 秋人 】 「……」
 

 伊桜里さんの気持ちはよくわかってるつもりだけど、伊桜里さんとは逆で俺は伊桜里さんを母さんと思うことは
 出来ない。

【 伊桜里 】 「すぅすぅ……」
 

 すぐ横で寝息を立てている伊桜里さんを見つめる。

【 秋人 】 「ごめん、伊桜里さん」
 

 家族以前に、異性として見てしまっているから。だから俺は母親だって、どうしても思えないんだ。
 呟くように謝りながら、目の前の伊桜里さんをジッと見つめる。
 可愛い寝顔だ。それに、すごくいい匂いがする。
 そっと寝顔を覗き込むと、俺は白くてたわわな胸の谷間に視線を向けた。

【 秋人 】 「ごくっ」
 

 今にもパジャマから飛び出しそうな量感たっぷりの胸元の様子に、ドキッとすると共に生唾を飲み込んでしまう
 。
 さっきの柔らかい感触って……。
 寝ぼけて伊桜里さんのおっぱいに顔を埋めていたのか、俺?

【 秋人 】 「伊桜里さん」
 

 ダメだと思いつつも、伊桜里さんの胸元に顔を近づけ、くんくんと犬のように匂いを嗅いでいく。
 もう一度、目を覚ました状態で、目の前のおっぱいに顔を埋めてみたい。いい匂いを思いきり嗅ぎながら柔らか
 い感触を満喫したい。
 そして、おっぱいにしゃぶりついてみたい。
 性的衝動が昂ぶり、ペニスがムクムクと勃起していく。

【 秋人 】 「くっ」
 

 ダメだ。そんなこと出来るわけない。

【 伊桜里 】 「んっ、うぅんっ、んっ……秋くん?」
 

 昂ぶる衝動に必死に抗っていると、伊桜里さんが目を覚ました。

【 秋人 】 「あっ、伊桜里さん」
【 伊桜里 】 「ふふ、おはよう。秋くん」
 

 絶賛欲情中の俺をよそに、目を覚ました伊桜里さんが微笑みながら、おはようの挨拶。

【 秋人 】 「おはよう、伊桜里さん。と言いたい所だけど、なんで俺の部屋に伊桜里さんがいるのかな?」
 

 勃起を悟られないよう挨拶を返しつつ、俺の隣で寝ている理由を尋ねる。

【 伊桜里 】 「えっと、一人だと寂しかったのと、久しぶりに帰ってきた秋くんと一緒に寝たいなって、そう思ったの」
【 秋人 】 「はぁ、やっぱり……」
【 伊桜里 】 「なれなれしかったかな」
【 秋人 】 「そんなことはないけど、でも勝手に入ってこられたら困るというか、まずいんじゃないかなって……」
 

 しょんぼりとした顔で俺を見る伊桜里さんに悪いとは思ったが、平気平気、むしろウェルカムだよ、とは言えな
 かった。

【 伊桜里 】 「まずいって?」
【 秋人 】 「それは、親子って言っても義理だし、伊桜里さんとそれほど歳が離れてるわけじゃない。だから、あんまりよく
 ないかって、俺はそう思う」
【 伊桜里 】 「わかった。秋くんがそういうならもうしない。わたし、秋くんを困らせたくないもの」
【 秋人 】 「……」
 

 ごめん。少しでも仲良くなりたいっていう気持ちや寂しい気持ちは分かる、わかるけど、ごめん。
 心の中で伊桜里さんに何度も謝る。

【 伊桜里 】 「でも、わたしは秋くんのお母さんだから。それだけは諦めたくないの」