【朱莉】「みなさん、はじめまして。私の名前は山下朱莉（あかり）、『とらバ！』の主人公である今村駿介さんの後輩です」
	【朱莉】「今回は前回に登場していただいた恋さんと愛さんにかわって、『とらバ！』の魅力をサブヒロインのひとりである私のほうから説明させていただくことに――」
	【みなと】「Ｈｅｙ、ジョニー！　見てくれよこの商品を！　最高にＣｏｏｌだろう！？」
	【朱莉】「……こんにちは、駆流田（くるた）みなとさん。その手に持っているのが今回の解説で使う資料なんですね、わざわざありがとうございます」
	【朱莉】「こほん。それではみなさん、資料も無事に届いたところで、いよいよ『とらバ！』の魅力をたっぷりと――」
	【みなと】「ちょーーーーっと待ったぁあっ！　クールっ、超クールよ朱莉ちゃん！　さらっと流し過ぎだってば！」
	【みなと】「もうちょっとこう、私にガシガシっとツッコミはないの！？　……ほら、さっきの私ってなんか無駄に元気な外国人風味でしょっ？　深夜の怪しい通販番組風じゃなかった？　ねぇ、ねぇったら！？」
	【朱莉】「どうどう。……落ち着いてください、私と同じくサブヒロインのひとりである駆流田みなとさん」
	【朱莉】「今回のセールストークは、私たちにとって初めて台詞ありでのお披露目の舞台にもなっているんですから、のっけからあまり変なイメージを付けてしまうのは損ですよ？」
	【みなと】「ああんっ、いつもは私のことを「みなとさん」としか呼ばないのに、その説明口調がまたクールよ朱莉ちゃんっ！」
	【みなと】「……でも、嘘を言ってはいけないわ！　朱莉ちゃん、貴女は「ＬＯＶＥエロ」のコーナーですでに台詞をしゃべっているじゃないの！　私の出番はなかったのに！」
	【朱莉】「……ほとんど「じー」とか「びくっ」としか言っていませんけどね。そういえば今回、みなとさんの出番はありませんでしたか」
	【みなと】「しくしくっ。私、こんなに身体を張って頑張っているのに……！　朱莉ちゃんの萌えっぽい絵はともかく、姫っちの尻に負けるだなんて心外だわ！　悔しいから後で揉ませてもらうわよ！」
	【朱莉】「……東條さんも色々と大変そうですね」
	【朱莉】「さて、ぼんやりとですが私たちのキャラも掴んでいただいたところで、そろそろ今回の本題に入りましょうか。みなとさん？」
	【みなと】「ぐすんっ。そうねぇ、いつまでも遊んでると会社の会社の偉い人が飛んできて、この場を乗っ取られちゃうからね」
	【みなと】「……んじゃ、さくさくっといくわよ〜。今回のセールスポイント紹介は、『既存のＬＯＶＥエロ作品よりお手軽にエッチを』――ズバリ、これね！！」
	【朱莉】「き、切り替えが早いですね。……既存のＬＯＶＥエロ作品、というのは、つまり『あねいも２』や『FUTA・ANE』といった、これまでの当ブランドの作品のことですね？」
	【みなと】「そそ。これまでのＬＯＶＥエロ作品では、女の子と親密になっていく過程をじっくり丁寧に描いた後に、一転してねっとりたっぷり濃厚なエッチシーンが展開されていく、というのが基本的な構成だったのよね」
	【朱莉】「ゲーム中に登場するエッチシーンのほとんどは、物語の後半に集中していたわけですね。……それが、今回の『とらバ！』では違うということですか？」
	【みなと】「いえーす、ざっつらいと！　前回、恋さんと愛ぽんが『とらバ！』の物語の導入部を説明してくれたアレは、覚えているかしら？」
	【朱莉】「はいです。駿介さんと恋さんがチョメチョメな感じの仲になって、それを知った愛さんが駿介さんに迫ってアヘアヘな感じになってしまう、あの展開のことですね？」
	【みなと】「いぐざくとりーよ朱莉ちゃん！　そう、今回の『とらバ！』ではこれまでの作品と違って、主人公の駿介がすでにメインヒロインのふたりと肉体関係を持った状態から始まるの！」
	【みなと】「つまり、ゲームの序盤からすでに濃厚なエッチシーンが展開されまくるって寸法なのよ！　どう、Ｃｏｏｌでしょう朱莉ちゃん！」
	【朱莉】「……あの、みなとさん？　その怪しい外国人さん風味はいったいいつまで……いえ、なんでもありません」
	【みなと】「んじゃ、さっそく皆にもその証拠となるゲーム序盤のＣＧを見てもらいましょうか！」

	【朱莉】「はぅ……こ、これはまた、のっけから凄い場面ですね。恋さんの衣装がエッチすぎです」
	【みなと】「恋さんってスタイルが良くておっぱい特盛だから、こういうぴっちりした衣装が似合うのよね〜。くす、ちなみにこのシーンはチャイナドレスだけじゃなくて、エロ下着もポイントよね」
	【みなと】「今回の『とらバ！』ではこんな感じのエッチぃ場面が、序盤からどんどん展開されるの。にひひっ、こりゃあ駿は、いくらスタミナがあったって足りないわねぇ」
	【朱莉】「恋さんと愛さんが、駿介さんのことを巡ってエロエロバトルをするわけですね。……ということは、つまり愛さんも……？」
	【みなと】「むふふっ、もちろんよっ。んじゃ、次いってみよー！」

	【朱莉】「こ、これもまたずいぶんとマニアックな衣装ですね。いったい誰の趣味なんでしょう？」
	【みなと】「さーて？　着てくれるように頼んだのはたぶん駿のほうなんでしょうけど、ふふっ、この様子を見ると愛ぽんもまんざらでもないみたいね」
	【朱莉】「……ブルマって、もう絶滅したはずじゃなかったですか？　うちの兄が、「ブルマはもう漫画とゲームの世界の中にしか存在しない！」と漢泣きをしていましたよ」
	【みなと】「にひひっ。きっと何年か前に着ていたのを引っ張り出してきたんでしょ。愛ぽんは身体のラインがスレンダーだから、これまた小さ目のぴっちりした体操着がよく似合ってるわ」
	【朱莉】「手元の資料によると、上の２枚のＣＧはプロローグ直後〜ゲーム中盤くらいまでに出てくるＣＧのようです」
	【朱莉】「……なるほど、こういった感じで駿介さんを誘惑してくるおふたりとのお手軽なエッチシーンが楽しめるわけですか。納得です」
	【みなと】「ふっふーん。……朱莉ちゃん、朱莉ちゃん？」
	【朱莉】「な、なんでしょう、みなとさん。……そのお顔は、なにかよからぬことを企んでいるときの顔ですね？」
	【みなと】「今回は私たちが司会進行役ってことで、なんだか他人事みたいに解説に徹してるけどさ。ホントは朱莉ちゃんも、駿たちのこういう場面を見て心中穏やかじゃないんでしょ？」
	【朱莉】「え、ええと。みなとさんがなにを言いたいのか、さっぱりなのですが……？」
	【みなと】「『とらバ！』では恋さんと愛ぽんというふたりのエッチシーンだけじゃなくて、実はサブヒロインである私たちのエッチシーンについても、早い段階で皆に楽しんでもらえる仕様になっているのよ」
	【朱莉】「……ほ、ほうほう。それはすごいです。サービス満点ですね」
	【みなと】「くすっ。……そこで今回、私たち取材スタッフは独自に入手した朱莉ちゃんのスクープ映像を、ここで皆に披露することにしたわ！」
	【朱莉】「ふぇ！？　ちょ、ちょっと待ってくださいっ。まさかそれは、あの夜のっ――……！」
	【みなと】「さぁ、とくとご覧あれ！　これが朱莉ちゃん猫耳Ｖｅｒ・局地戦仕様の雄姿よ！」

	【朱莉】「…………あの、みなとさん。この仕打ちは私の胸が控えめなことに対する当てつけですか？」
	【みなと】「あ、あははーっ。どうも表示するＣＧを間違えちったみたいね、失敗失敗」
	【朱莉】「ここに映っているのは、先ほども少しだけ名前の出てきた、みなとさんの親友の東條姫乃さんですよね」
	【朱莉】「……東條さんがこういうことをするというのも驚きですが、これがゲーム内だったら完全にバグですよ？　パッチが必要になってしまうレベルですが大丈夫ですか？」
	【みなと】「ああんっ、そ、そんなに怒らないでよぅ。……でも、ホントに意外ねぇ。あの真面目な姫っちにいったいなにが起こってこうなったのか、みなとさんとっても気になるわぁ」
	【朱莉】「こほんっ。……と、とにかく、メインヒロインの恋さんと愛さんだけでなく、私たちのエッチなシーンもゲームの早い段階でみなさんにお届けできることはわかりました」
	【朱莉】「それでは、今回のセールストークはこのあたりでお開きということに……」
	【みなと】「おーっと待ったぁ！　今やっと目的のＣＧが手元に到着したわっ。さぁ、今度こそ皆に朱莉ちゃんの艶姿を見てもらうわよ！」
	【朱莉】「えっ、えっ？　ああっ、待ってくださいみなとさんっ、そのＣＧは――……！？」

	【みなと】「くすくすっ。朱莉ちゃん、これはいったいナニをしている場面なのかしら？」
	【朱莉】「さ……さぁ？　私にはまるで覚えがありませんよ？」
	【朱莉】「ここに映っているのは、きっと駿介さんが飼っている猫さんですよ。……ほら、昔話なんかによくあるじゃないですか。動物が恩返しのために女性の姿になる、きっとあんな感じのシーンなんです」
	【みなと】「ふーん、ほっほーう？　駿は猫なんて飼っていなかった気がするんだけどなぁ」
	【みなと】「それにこの、５年後くらいには周りの男どもを残らず虜にしてしまいそうな美貌は、間違いなく朱莉ちゃんの――」
	【朱莉】「み、みなとさん、みなとさんっ。どうやら更に追加のＣＧが届いたみたいなので、そろそろ次に行きましょうっ」
	【みなと】「ええー？　まだ語り足りないわよぅ、もっと朱莉ちゃんの猫耳スーツについての情報を聞き出したいのーっ！！」
	【朱莉】「つ、次のＣＧは……おや？　ひょっとしてこれは、みなとさんのＣＧなんじゃありませんか？」
	【みなと】「うん？　……私、駿に変なことなんてした覚えはないわよ？　それこそバグなんじゃないの？」
	【朱莉】「では、再現ＶＴＲ……もとい、現場の再現ＣＧです。みなさん、こちらのシーンをご覧ください」

	【朱莉】「……みなとさん、この場面は？」
	【みなと】「うーん？　私と駿とで、季節外れの松茸狩りをしてるトコかにゃ？」
	【朱莉】「松茸というには、ちょっとその……駿介さんのアソコにあるもののサイズが、大きすぎるような気がするんですけど？」
	【みなと】「うんうん、朱莉ちゃんは直に手で触っていたもんねぇ。……ちなみに駿の松茸は、良い香りだった？」
	【朱莉】「そうですね、兄の部屋を掃除しようとしてうっかり残り香を嗅いでしまったときのとは違って、駿介さんの場合はすごく……」
	【みなと】「にひひっ。凄く、どんなだったのかなぁ？」
	【朱莉】「こほんっ。と、とりあえず、今回の『とらバ！』はこれまでのＬＯＶＥエロ作品とは違った構成で、ゲームの序盤からエッチなシーンが盛りだくさんなことはわかりました」
	【みなと】「ねぇねぇ朱莉ちゃん。すごく……どうなの？　興奮した？　駿のエッチぃ匂いに興奮しちゃったの？　ねぇねぇ？」
	【朱莉】「……で、ですが、この構成ではゲーム後半部分のエッチシーンの量が減ってしまうんじゃありませんか？　まさか、単純にシーンの数が２倍になったりしているわけではありませんよね？」
	【みなと】「ちぇー、あくまでシラを切り通すつもりなのね。……ふふ、まぁいいわ、駿の松茸の匂いについては後でまた聞くことにしましょうか」
	【みなと】「……朱莉ちゃんの心配はもっともよ。でも安心して、この作品は伊達にＬＯＶＥエロの名前を冠しているわけではないの！」
	【朱莉】「（ふう……どうにか誤魔化せたみたいです）……と、いいますと？」
	【みなと】「純愛もののゲームでありながら、エッチシーンはとにかく濃厚に！　愛し合うふたりに限界はなし！」
	【みなと】「『とらバ！』ではゲーム序盤から中盤にかけてだけじゃなく、これまでのＬＯＶＥエロ作品同様、ゲームの後半にもラブラブになったふたりの為の濃厚なエッチシーンが多数用意されているの」
	【みなと】「シーンの総数としては、さすがにこれまでの倍、なんてわけにはいかないけれど、そのぶん後半のエッチシーンは尺も長めでシチュエーションにも凝っているわ！」
	【朱莉】「ほうほう。ＬＯＶＥエロの「エロ」部分については、決して薄くなったりはしていないわけですね？」
	【みなと】「いえーす！　その部分が薄くなっちゃったら、このブランドで出す意味がなくなっちゃうからね。そこは中の人たちもちゃんとわかっているわ！」
	【みなと】「さぁ、ではさっそく皆にも、その後半シーンの一部を見てもらいましょうか！」

	【朱莉】「はぅう。ふたりとも、すごくエッチですね」
	【朱莉】「愛さんはかろうじて衣装らしきものを着ていますけど、ほとんど身体が隠せていないですし。それに恋さんは、駿介さんの松茸にあんなに密着して……あふ、くらくらするようなあの匂いを思い出してしまいますよ」
	【みなと】「くすくす。へぇ、駿の松茸って、くらくらするほど良い匂いだったんだ？」
	【朱莉】「っ！？　ええっと、今のはその……と、とにかく、ゲームの後半部分にもちゃんとエッチシーンがあることは理解できました」
	【みなと】「ふふ、いま見せたのは、その中でもごくごく一部なんだけどね」
	【みなと】「なんたって、恋さんと愛ぽんは駿介にラブラブなんだからさ。いざ恋人同士になったりしたら……むふふ、色々とマニアックなプレイの要求にも応えてくれるわよ〜♪」
	【朱莉】「……ま、マニアックですか。具体的にはどんな内容なんでしょう？」
	【みなと】「にひひー。残念ながら、それを公開するのはまた別の機会になるわね。ひとまず今回は、いま見せたようなラブラブエッチシーンがてんこ盛りだってことを理解してもらえれば十分よ」
	【朱莉】「わ、私も負けてはいられないです。……胸のサイズではとてもお二人にかないませんけど、猫耳の力を借りて頑張る所存ですよ」
	【みなと】「あはは、その意気よ朱莉ちゃんっ。……ま、私たちはあくまでもサブキャラだから、さすがに恋さんや愛ぽんと同じだけのエッチシーンのボリュームはないけどねん」
	【みなと】「ふふ、でもそのぶん、持ち味を活かしたエッチぃシチュエーションで攻めていけば、私たちにも駿の心をゲットするチャンスはあると思うわ！」
	【朱莉】「えっ？　……もしかして、みなとさんも駿介さんのことを狙っているんですか？」
	【みなと】「んー？　んふふー、どうかしらねぇ。そのあたりのことは、本編のお楽しみってことにしときましょ」
	【朱莉】「わ、わかりました。それでは、今回はこの辺でお開きということですね？」
	【みなと】「ええ、そうね。……ところで朱莉ちゃん？　いま猫耳がどうとか言ってたけど、さっき皆に見せた場面で付けてた猫耳って、今も持ってたりするの？」
	【朱莉】「ぎくっ。えーと、なんのことでしょう？」
	【みなと】「良かったら今度、朱莉ちゃんが猫耳付けてるところを私に見せてくんないかな〜。ついでにちょっとエッチな撮影会とかどう？　ギャラは弾むわよん♪」
	【朱莉】「そ、それではみなさん、今回はここでお別れです。また次の機会にお会いしましょう」
	【みなと】「ああっ、待って待って！　エッチなのは無しっ、無しの方向でいいから！　朱莉ちゃんはただ「にゃーにゃー」言っててくれればそれでいいからさ！」
	【みなと】「お、置いていかないでぇっ。私、ひとりぼっちだと寂しくて死んじゃうのよ〜！！」

――続く――