【 明日香 】 「なんだ、あっけないな。威勢がよかっただけか。まったく、最近は骨のある男がいないな」
【 四郎 】 「……」
   強い。圧倒的に強いよ、この人……。
   女性の一連の動作に隙は全くなく、華麗という言葉がとても似合うと思った。
 高美さんもすっげえ強い女性だけど、この人も半端ない。相当な手練れだ。
【 四郎 】 「……」
   俺は女性の強さに魅入られてしまった俺は、その場で、棒立ちになり、男3人を瞬殺した女性を凝視し続けた。
【 明日香 】 「まったく、少し早く来てみればこれだ。だから、来たくなかったんだ、あたしは……」
【 四郎 】 「……」
   長くて綺麗な髪をした綺麗な顔立ちをして、パッと見た感じ、プロポーションは抜群だ。
 それに反して、女性らしさを強調しないラフな格好、男性的な口調にのギャップがかなり凄い。
   この格好や口調のせいかな? 力強さは感じるけど、高美さんのような武道家の凛とした雰囲気は
 不思議と感じられない。
【 明日香 】 「うん? お前……もしかして、こいつらの仲間か?」
【 四郎 】 「えっ!? ち、違います! こいつらに絡まれてたんで、大丈夫かと思ってきたんですけど……」
【 四郎 】 「全くもって問題なかったみたいですね……」
【 明日香 】 「ああ、そうだな。威勢がよかったから、少しはやれるかと思ったけど、あまりにあっけなさすぎて
 拍子抜けしてるところだ」
【 四郎 】 「あはは……そう、みたいですね」
   女性の周囲で仰向けになり、KOされている野郎3人の姿を改めて見る。
   確かにこいつらは全然強くない。でも、それは武術を習ってる者としての視点で見た場合のことだ。
 普通の女性が男3人に絡まれて、それを僅か数秒で返り討ちにするなんてことはできっこない。
【 四郎 】 「……」
   今も隙がまったくない。この人は強い。それもかなり……。
   藤堂で長い年月にわたって鍛錬をつんできたおかげもあって、本能的にそれがわかった。
【 明日香 】 「うん? ちょっと待てよ。お前は確か……」
   眉間に皺を寄せながら、女性が俺に近づいて来た。そして――