喉が渇いたため、飲み物を取りにダイニングに向かうと、ちょうど春姉が夕飯の用意をしていた。

【 春佳 】 「あ、はあ君。夕飯なら今、準備中だからもうちょっとだけ待ってて」
【 疾風 】 「わかってる。喉が渇いたから麦茶でも貰おうと思って来たんだ」
【 春佳 】 「そうなんだ。待ってて、すぐに用意してあげるから」
【 疾風 】 「あっ、いいよ、いいよ。麦茶くらい自分で用意するからさ」
 

 そう言ってコップを手に取り、冷蔵庫から麦茶のボトルを取り出すと、俺はコップいっぱいに注いで
 一気に飲み乾した。

【 疾風 】 「あのさ、春姉。今朝も話していたけど、一人で無理しないで夏姉や冬姉にも手伝って貰ったら?
 俺も出来る範囲でなら何でも手伝うよ」
【 春佳 】 「いいの、いいの。わたし、料理好きだから。ふふ、そう朝言ったじゃない。
 それに夏希はともかく、冬花はお料理はからきしでしょ」
【 春佳 】 「ふふ、二人にお料理を教えながら作る方が大変なのよ」
 

 俺の問いかけに春姉が苦笑気味にそう言う。

【 春佳 】 「それと、今までお母さんに習っていた料理の腕前を試せる絶好の機会だから」
【 疾風 】 「確か花嫁修業の一環、だっけ?」
【 春佳 】 「うん、そう。未来の旦那様に少しでも美味しい料理を作ってあげられるように頑張ってるの。
 だから、はあ君には美味しいかどうか、それを教えて欲しいかな」
 

 頬をほんのりと赤らめながら、春姉がジッと俺を見つめる。

【 疾風 】 「そういうことならいくらでも。今のところ春姉の料理は母さんに負けないくらい美味しいかな」
【 春佳 】 「ふふ、それが本当ならお姉ちゃん、とっても嬉しいかも」
 

 嬉しそうににっこりと微笑みながら、春姉が胸を張る。

【 疾風 】 「あっ」
 

 春姉が胸を張るのに合わせて、大きな乳房がぷるるんっと大きく弾み、
 ついついその様子に目を奪われてしまう。
 むぅ、凄い揺れ方だ。永遠さんのおっぱいも凄いけど、春姉のおっぱいもさすがというか何というか……。
 たぶんだけど、サイズだけなら永遠さん以上、だと思う。巨乳というより、爆乳って言った方が
 しっくりとくるかな。
 そんなことを思いつつ、じぃ~っと観察するように春姉の胸元を凝視してしまう。

【 春佳 】 「えっとね、はあ君。あのね、そんなに胸元をじぃ~って見られたら、
 さすがにお姉ちゃん、ちょっと恥ずかしいかも」
 

 俺の視線が胸元へ注がれていることに気がついた春姉が頬を赤らめ、身体をモジモジとさせる。

【 疾風 】 「はっ!? ご、ごめん!」
 

 照れ困りの表情で指摘する春姉に、俺は謝りながら慌てて胸元から視線を反らす。

【 春佳 】 「うふふ、はあ君がわたしをお嫁さんにしてくれるんだったら、いくらでも見てもいいけど、
 お嫁さんにしてくれる?」
【 疾風 】 「春姉、俺達は姉弟なんだから結婚なんて出来ません」
 

 いきなりの春姉の言葉にドキドキしてしまったが、すぐに理性が発動し、ピシャリとNGを出す。

【 春佳 】 「う~ん、お姉ちゃん、そんなことないと思うけどなぁ。ほら、わたしとはあ君は……」
 

 何かを期待するかのように、春姉が頬を赤らめつつチラチラと俺を見る。

【 疾風 】 「春姉……」
【 春佳 】 「くすくす、なんてね。ちょっと言ってみたかっただけだから気にしないで」
【 疾風 】 「まったく、そういうお姉ちゃんは嫌いです」
 

 呆れたようにそう告げる俺だったが、胸の高鳴りを抑えるので必死だった。