【 冬花 】 「ねえ、疾風」
 

 軽く身体を解して海に入ろうとしていると、不意に冬姉が声をかけてきた。

【 疾風 】 「な、なに、冬姉?」
 

 先ほどのやり取りを思いだし、ドキドキと胸が高鳴ってしまう。

【 冬花 】 「ちょっと頼みたいことがあるんだけど、これ、塗ってくれない?」
 

 冬姉が日焼け止めのクリームを俺に手渡す。

【 疾風 】 「ああ、別にいいけど」
【 冬花 】 「よかった。それじゃ、そこに横になるから塗って」
 

 俺の答えに嬉しそうに微笑むと、冬姉はパラソルの下に敷かれたマットの上に仰向けで横になった。

【 冬花 】 「それじゃ、塗って」
【 疾風 】 「えっと、なんで仰向けに? クリームを塗るのは背中じゃないわけ?」
【 冬花 】 「面倒くさいから、全部、疾風が塗ってよ」
【 疾風 】 「いやいや、ちょっと待って。面倒くさいって言われても、さすがに正面はマズイんじゃないかな~なんて」
【 冬花 】 「なにがマズイわけ? あたしは構わないから早く塗って」
【 疾風 】 「そう言われてもなぁ」
【 冬花 】 「そんなに嫌なんだ。あたしの身体に触るの」
【 疾風 】 「いや、そんなっ、嫌だなんて、そんなこと絶対にないよ!」
【 冬花 】 「じゃ、早く塗って」
【 疾風 】 「はぁ、わかったよ。えっと、それでどこを塗ればいいの?」
【 冬花 】 「どこでも疾風の好きな所を塗っていいよ」
【 疾風 】 「す、好きな所って言われてもわからないよ。具体的に言ってもらわないと」
【 冬花 】 「じゃ、お腹から塗って」
【 疾風 】 「わかったよ」
 

 ドキドキしまくりながら右手の平にクリームを適量垂らすと、冬姉のお腹にそっと触れるようにして、
 クリームを塗し始めた。

【 冬花 】 「はぁ、気持ちいい」
 

 お腹にクリームを塗り始めると、冬姉が瞳を閉ざし、うっとりとした声を漏らす。

【 疾風 】 「っ……」
 

 冬姉のお腹、プニプニして凄く心地いい。
 冬姉の張りがあるのに柔らかいお腹の感触、スベスベした肌の心地よさにドギマギしながら
 お腹に両手でクリームを塗していく。

【 冬花 】 「んふっ、はぁ、疾風、そのまま両腕と両足にも塗っていって」
【 疾風 】 「う、うん。わかった」
 

 冬姉のオーダーに従って、左腕、右腕。そして左足、右足の順番でクリームを塗っていく。

【 冬花 】 「はぁ、とっても気持ちいいよ。疾風はどう? あたしの肌、気持ちいい?」
【 疾風 】 「気持ちいいよ。冬姉の肌、凄く滑らかで柔らかくて、こうして塗ってるだけで心地いい感じになれてる」
【 冬花 】 「そうなんだ」
 

 両足の太股にクリームを塗りたくっている俺の様子に、冬姉が頬を赤らめながら、どこか嬉しそうに見つめる。
 そんな冬姉の視線にドキドキしながら、つま先までクリームを念入りに塗していった。

【 疾風 】 「こんなこんかな。冬姉、クリーム塗り終わったよ」
 

 両足の先まで塗り終わった所で、塗り終わったことを冬姉に伝える。

【 冬花 】 「まだ終わってないよ。塗ってないところがあるから」
【 疾風 】 「えっ? あとは顔ぐらいしかないじゃないか」
【 冬花 】 「そんなことない。乳房と脇の下、それにお腹の下の方をまだ塗って貰ってないよ」
 

 そう言いながら冬姉が両腕を頭の方に向かってあげ、脇を大胆に晒す。

【 疾風 】 「やっ、だめだよ、冬姉。脇はともかく、おっぱいにお腹の下の方は色々と問題あるから、そこは自分で塗って」
【 冬花 】 「あたしは別に問題ないよ。それに面倒くさいって最初に言ったじゃない。だから塗って」
【 疾風 】 「はぁ、わかったよ」
 

 じぃ~っと期待する瞳で見つめてくる冬姉に俺は観念し、まずは一番無難と思われる脇の下に
 クリームを塗っていった。

【 冬花 】 「んっ、あっ、そこっ、少しくすぐったい」
【 疾風 】 「あっ、ごめん。脇の下なんて塗ったことないから力加減がわからないんだ」
【 冬花 】 「あたしのことなら気にしないでいいから。塗り方も力加減も疾風が好きなように塗って」
【 疾風 】 「うん、わかった」
 

 頬を上気させている冬姉にそう答えると、脇の下から二の腕にかけてクリームを塗っていった。

【 冬花 】 「んっ、あっ、はぁ、脇はもういいから、乳房にも塗って」
【 疾風 】 「乳房って言われても、ほとんど水着で隠れてるよ」
 

 とは言うものの、冬姉の量感たっぷりの乳房は上乳をメインに、かなりの面積が露出している。

【 冬花 】 「露出してる部分で構わないから塗って」
【 疾風 】 「……はぁ、仕方ないなぁ」
 

 まったく、何を考えてるんだよ、冬姉は。 心の中で呟きながら、露わに合っている上乳部分に触れていく。

【 冬花 】 「あふんっ、んっ、あぁ、疾風っ、んっ、んふぁ、んんっ、はぁ、いいよ、もっと強く触って」
 

 左右の上乳部分に俺の手が触れると、冬姉は瞳を閉ざし、頬を上気させて甘い声を漏らした。
 まるで俺の愛撫に喘ぎ声を上げているような感覚に陥り、心臓が一気に早鐘を打ち始めてしまう。

【 疾風 】 「あの、冬姉。出来れば変な声を出さないで欲しいんだけど」
【 冬花 】 「んっ、はぁ、はぁ、仕方ないよ。とても気持ちいいんだから」
 

 閉ざしていた瞳を開け、うっとりとしながらそう答える冬姉。

【 冬花 】 「ねえ、疾風。水着の中に手を入れてもいいから、乳房全体に塗ってよ」
【 疾風 】 「そ、それはだめだって。水着の中は日焼けと関係ないじゃないか」
【 冬花 】 「あたしの胸、そんなに魅力ない? 疾風は興味ない?」
 

 冬姉が潤んだ瞳で、真っ直ぐに俺を見つめてくる。

【 疾風 】 「そんなことはない、けど……」
【 冬花 】 「それなら、塗ってよ。あたしの胸、疾風の好きなように触っていいから」
【 疾風 】 「ふ、冬姉……ごくっ」
 

 冬姉の言葉にゴクリと生唾を飲み込むと同時に、頭の中で理性が崩壊を始める。

【 疾風 】 「本当に好きなように触ってもいいの?」
【 冬花 】 「んっ、いいよ、疾風」
 

 冬姉がコクリと頷き返すと、いよいよ辛抱たまらなくなった俺は、わかったよ、と頷き返し、
 美乳を覆い隠している水着の中に手を忍ばせ、クリームを塗り始めた。