【 夏希 】 「えっ?」
【 疾風 】 「あっ……」
 

 風呂に入る為、洗面所に入ると、洋服も下着も身に着けていない夏姉がいた。

【 疾風 】 「な、な、夏姉?」
 

 なぜ、夏姉がここにいるんだ? もうとっくに風呂に入ったんじゃ……。想定外の出会いに驚きつつも、
 頭の中が真っ白になり、その場に呆然と立ち尽くす。

【 夏希 】 「なっ……は、は、は、疾風!?」
 

 夏姉にとっても想定外の出会いだったのだろう。俺の姿に美しい裸体を隠すこともなく、
 口をパクパクとさせていた。

【 疾風 】 「なんで夏姉が……」
 

 裸体を晒したままの夏姉のおっぱいとお尻に、だめだとわかっていてもついつい視線を奪われてしまう。

【 夏希 】 「っ!? ちょっと、どこを見てるのよ、バカ疾風!」
 

 じぃ~と容赦なく胸元に向けられる俺の視線に気がついた夏姉が、顔を真っ赤にしながら右腕でおっぱいを
 覆い隠す。

【 疾風 】 「あっ、ご、ごめん! すぐに出てくから!!」
 

 夏姉の言葉に我に返った俺は、慌てて洗面所を後にしようとするが……。

【 疾風 】 「おわっ!?」
 

 両足がもつれてしまったのか、フラフラとバランスを崩し、その場で後方へ転倒してしまった。

【 疾風 】 「っうぅぅ……」
 

 背中側に尻餅をつくように転んだ俺は、後頭部を思いきり床に打ちつけてしまった。

【 夏希 】 「ちょっと、疾風、大丈夫!?」
 

 転倒した俺を見た夏姉が全裸であることも気にすることなく、その場で腰を落とし、心配そうな顔で
 声をかけてきた。

【 疾風 】 「いっつぅ、頭を打ったけど、大丈夫みたいだ」
 

 豪快に転倒し頭を床に打ったが幸いにも意識はしっかりしていて、夏姉の問いかけに答える事が出来た。

【 夏希 】 「動かないで、ジッとしてて。本当に大丈夫なの?」
 

 四つん這いの格好で、夏姉が心配そうな表情で俺を覗き込んでくる。

【 疾風 】 「うん、大丈夫だよ。たんこぶが出来てるみたいだけど」
 

 仰向けになったまま、後頭部を右手で撫でると、たんこぶが出来ていて、ズキズキと痛んだ。

【 夏希 】 「ちょっと見せてみて」
 

 夏姉が今にも泣きそうな顔を浮かべながら、右手を俺の頭に向けて伸ばしてくる。

【 疾風 】 「大丈夫だよ、たいしたこと……あっ」
 

 たいしたことはない。そう言おうとしたが、改めて夏姉が全裸なこと、重力に引かれて垂れ下がっている
 豊かな量感を持った左右の乳房が視界に入り、言葉を失う。
 夏姉のおっぱいがモロに……いや、おっぱいだけじゃない。下腹部……アソコもモロに見えちゃってる。
 魅力に溢れる夏姉の裸に、俺は言葉を失い、心臓が早鐘を打つと共に全身が火照り始めた。

【 夏希 】 「ちょっと顔が真っ赤になってる。どうしよう、救急車? あっ、その前に春姉と冬姉に言わないと!」
 

 俺の体調が悪化したと思ったのか、夏姉が慌ててオロオロとしまくる。
 夏姉がオロオロするのに合わせて、垂れ下がった乳房がプルプルと揺れ、俺の性感を刺激してきた。

【 疾風 】 「ちょっと、夏姉、慌てすぎだって。俺なら本当に大丈夫だから、それよりも、その格好を何とかして
 欲しいんだけど」
【 夏希 】 「えっ?」
【 夏希 】 「あっ……」
 

 俺の言葉にポカンとした表情を浮かべたかと思うと、全裸であることを認識したのか、みるみるうちに
 顔が真っ赤に染まっていった。

【 夏希 】 「……」
【 疾風 】 「えっと、夏姉?」
【 夏希 】 「……」
【 疾風 】 「夏姉ってば、俺の言葉、聞こえてる? 夏姉、その、おっぱいくらい隠して欲しいなぁ、なんて……」
【 夏希 】 「はっ!?」
 

 5秒ほど呆けた後、夏姉は右腕で露わになっていた乳房をバッと覆い隠した。

【 夏希 】 「み、見たよね?」
【 疾風 】 「まあ、裸だからそれなりに。とりあえず、俺なら大丈夫だからさ、おっぱいだけじゃなくて、その格好、
 なんとかしてくれるかな」
【 夏希 】 「い、いいわよ。あたしの裸なんて見慣れてるでしょ。それよりも大丈夫なの?」
 

 一瞬だけ、躊躇った後、夏姉は全裸のまま、俺の頭を覗き込んできた。

【 夏希 】 「たんこぶになってるところ、ちょっと見せて」
 

 乳房を覆い隠していた右腕を俺の頭へと伸ばし、後頭部をなでなでしてくれる。

【 疾風 】 「わっ、ちょっ、夏姉っ、いつっ!?」
【 夏希 】 「あっ、ごめん、痛かった?」
【 疾風 】 「ちょっとだけ、でもたいしたことないからそんなに心配しないでいいよ」
 

 露出状態のおっぱいを始め、夏姉の身体を出来るだけ見ないようにしながら、そう答える。
 しかし、雄の性に100%抗うことは出来ず、重力に引かれ、垂れ下がっている左右の乳房に
 どうしても視線が向いてしまった。
 うぅ、見たらだめなのはわかってるけど、やっぱり無理だよ。夏姉は裸なんて見慣れてるって
 言っていたけど……。
 子供の頃ならいざ知らず、目の前にいる夏姉の身体は成熟した女性のものであって、
 性感をビリビリと刺激された。

【 夏希 】 「もう、疾風はホント、そそっかしいんだから。本当に平気なのね?」
 

 その美麗な裸体を晒したまま、右手で頭をなでなでしながら夏姉が尋ねてくる。

【 疾風 】 「本当だって」
 

 異常がないことを示す為に、上半身を起き上がらせる。

【 疾風 】 「ほら、この通り、身体はピンピンしてる。ちょっとたんこぶが出来ちゃっただけだって」
【 夏希 】 「そう、よかった」
 

 俺の様子に、ようやく大丈夫だと思ってくれたのか、夏姉が安堵の表情を浮かべた。