【 冬花 】 | 「一通り見てまわったから、あそこでちょっとだけ休まない?」 |
護四季園を一周した所で、冬姉が日陰になっている四阿を指さした。 |
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【 疾風 】 | 「いいんじゃないかな、ずっと日に当たりっぱなしだったから少し休んだ方がいいと思う」 |
冬姉の提案に同意すると、俺達は四阿に向かった。 |
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【 冬花 】 | 「はぁ、らくちん。疾風、膝枕の才能あるかも」 |
四阿の中にある椅子に腰を落とすと、冬姉が椅子の上にゴロリと横になり、座っている俺の太股の上に |
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【 疾風 】 | 「ちょ、ちょっと冬姉!? こんな場所で膝枕はマズイってば」 |
【 冬花 】 | 「そんなに焦ることじゃないと思うけど? この間のスキンシップに比べたら、ライトじゃない?」 |
【 疾風 】 | 「いやいや、この間のと比べられても困るよ」 |
【 冬花 】 | 「まあ、いいじゃん。細かいこと気にしないで、少しだけ休ませてよ」 |
【 疾風 】 | 「はぁ、俺がだめって言っても退いてくれないんでしょ」 |
【 冬花 】 | 「くす、さすがに付き合い長いだけあるね」 |
俺の答えに冬姉が、わずかに頬を赤らめながらニコリと微笑み、右手を頭の上にあげる。 |
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【 冬花 】 | 「あっ……」 |
ドキドキしながら冬姉を見ていると、不意に目が合ってしまった。 |
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【 疾風 】 | 「っ……」 |
わずかに頬を赤らめながら俺をジッと見つめている冬姉に、胸のドキドキが更に加速していく。 |
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【 冬花 】 | 「疾風……」 |
ドキドキしながら冬姉の顔を見つめていると、おもむろに俺の左手を握り締めてきた。 |
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【 冬花 】 | 「あたし、疾風のこと、好きだから」 |
【 疾風 】 | 「へ、好きって……えっ、冬姉?」 |
さらりと、とんでもないことを告げた冬姉に、思わず顔を覗き込み、間の抜けた声をあげてしまう。 |
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【 冬花 】 | 「言葉通りの意味。あたし、疾風のことが好きだから」 |
問いかける俺に冬姉は顔を真っ赤に染めると、照れくさそうに視線を反らした。 |
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【 疾風 】 | 「いや、でも俺と冬姉は姉弟じゃないか。えっと、もしかして弟として、家族として、 好きって言う意味だったりとか?」 |
【 冬花 】 | 「全然違う。あたし、疾風の事、男性として好き。それもずっと昔から」 |
【 疾風 】 | 「いいっ!? そんな、また冗談言ってからかわないでよ」 |
【 冬花 】 | 「冗談なんかじゃないし、からかってもいない。あたしは本気だよ?」 |
【 冬花 】 | 「ずっと前から、あたし、疾風のことを異性として見てて、今でもその気持ちに変わりはない」 |
【 疾風 】 | 「ちょっと待って。俺達は姉弟なんだから、そんなこと急に言われても……」 |
思いも寄らない冬姉の告白に、なんて言ったらいいのかわからず、言葉に詰まってしまう。 |
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【 冬花 】 | 「ちょっとあたしの胸を触ってみて」 |
俺の左手首を掴むと、冬姉は自分の右乳房へと触れさせた。 |
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【 疾風 】 | 「あっ……」 |
冬姉の量感たっぷりで柔らかい乳房の感触が左手から伝わってくる。 |
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【 疾風 】 | 「っ!? ちょっとこんな場所でさすがにマズイよ!」 |
慌てて冬姉の乳房から左手を離そうとするが、冬姉が左腕をしっかりと握り締め、乳房から手が離せない。 |
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【 冬花 】 | 「いいから、そのままあたしの乳房を触って。胸がドキドキしてるのを確かめてみて」 |
【 疾風 】 | 「えっ?」 |
冬姉にそう言われ左手に意識を集中させると、ドクンドクンと冬姉の心臓が早鐘を打っているのが |
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【 冬花 】 | 「どう? あたしの心臓、ドキドキしてるのわかる?」 |
【 疾風 】 | 「うん、ハッキリとわかるよ」 |
冬姉の問いかけに、左手で乳房に触れたまま、コクリと頷き返す。 |
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【 冬花 】 | 「あたしが言ったこと、疾風のことが好きな気持ち、嘘じゃないって伝わってる?」 |
【 疾風 】 | 「うん、冬姉が本気なのはよくわかるよ」 |
【 冬花 】 | 「あたし、焦ってたんだ。疾風と夏希がキスしたって聞いた時から、ずっと。疾風が夏希と付き合っちゃうんじゃ ないかって、そう思ってた」 |
【 疾風 】 | 「いや、あれは夏姉がいきなりしてきただけで、俺からしたわけじゃないからっ」 |
【 冬花 】 | 「でも、キスはしたんだよね?」 |
【 疾風 】 | 「それは、まあ、いきなりだったし……っていうか、冬姉も子供の頃にいきなりキスしてきたじゃないか」 |
【 冬花 】 | 「あたしはちゃんと聞いたはず。疾風にキスするけどいいよねって」 |
【 疾風 】 | 「えっ、そうだっけ?」 |
【 冬花 】 | 「……」 |
【 疾風 】 | 「そう言われてみればそうだったような……」 |
そうだ、冬姉は嘘はつかない。唐突に何かするように見えるけど、前もって言ってくれる。 |
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【 冬花 】 | 「思い出してくれた?」 |
【 疾風 】 | 「うん、ハッキリとじゃないけど、聞かれた気がする」 |
【 冬花 】 | 「あの時、疾風がいいよって言ってくれたから、あたし、キスしたんだから。無理矢理したわけじゃないよ」 |
【 疾風 】 | 「うん、わかってる。冬姉っていつも大胆なことするけど、嘘ついたり、騙したりすることはないって」 |
【 冬花 】 | 「でも、今日は嘘ついた。春姉と夏希に友達と約束があるって、本当は疾風とデートの約束していたのに」 |
【 冬花 】 | 「二人に言えなかった。ううん、言いたくなかったのかな」 |
俺から視線を反らし、自嘲気味に微笑む。 |
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【 冬花 】 | 「ねえ、あたしの胸、触れてるだけじゃなくて、もっとしっかりと握り締めて、この間の海の時みたいに 疾風の好きなように触っていいよ」 |
【 疾風 】 | 「そんなこと言われたら、だめだって。俺、必死に我慢してるのに」 |
【 冬花 】 | 「別に我慢しなくてもいいよ。あたしが触って欲しいってそう思ってるんだから」 |
【 疾風 】 | 「冬姉……」 |
冬姉の言葉にゴクリとつばを飲み込むと、俺は軽く触れる程度だった右乳房をギュッと握り締め、ムニムニと |
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