「みなさん、お久しぶりです。国を追われた元女王、フィーナです」
「うふふ、体験版をプレイされた方ならわかると思いますが、今は精霊の森に住むアインさんに匿って貰っているんです」
「陛下、それは少々自虐的かと。確かに不意を突かれ王都を追われましたが、陛下はまだリニカ王国の女王なのですから」
「そうでしたね。嫌だわ、私ったら、この森での生活になれてしまったせいか、大切な事を忘れていました」
「私はリニカの女王として、王都リニアスを占拠しているゴラス革命軍から解放しなくてはならない。そうですよね?」
「その通りです。革命軍はクーデターをおこし、ゴラス王国の王族をみな処刑し王国を乗っ取った不心得者」
「前作のヒロインだったアルミナ様達、自国の有力諸侯の領地を武力によって手中に収めた後、同盟国であった我がニリカ王国に宣戦布告もないままに進軍」
「リニカ王国の王都リニアスを占拠しました。武力による一方的な支配から王都を取り戻し、革命軍の連中を我が王国から追い出すのが私達の使命なのです」
「そうですね。グリアのアルミナも大変だったようですが、無事にライドネルの名将オルティア卿に庇護されたとのことで安堵してします」
「はい、そう聞いています。ちなみに今回、陛下と私が体験するお話は、アルミナ様がオルティア卿に庇護された直後のお話ということになります」
「確か「ははむす」のお話の中だと、私は行方不明となっていたのでしたよね」
「そうですね。可能であれば私達の無事をオルティア卿に知らせ、ライドネル王国の力を借りたいのですが……」
「残念ながらグリア地方の街道を始め、ライドネル王国へ繋がる街道はすべて革命軍に封鎖されていて、連絡することはほぼ不可能です」
「そうですか、辛いですが、今は耐えねばなりませんね」
「はい、ですが反撃のチャンスは必ず訪れます。その時まで不便な森での生活を耐えてください」
「ふふ、それなら問題ありません。生まれてからずっと王宮暮らしだった私にとって、この精霊の森での暮らしは、とても新鮮なものに感じているのです」
「森の香り、鳥のさえずり、虫達が奏でる音色……自然がこんなにも素晴らしいものだったなんて王宮で暮らしていたら、一生知ることはなかったでしょう」
「陛下のお気持ちはわからなくありませんが、気を緩めないでください。私達は革命軍にいつ見つかってもおかしくない状況なのですから」
「心配いりません。この森はアインさんに庭も同然、異変があればすぐに気がつくでしょう。それにマリエル、貴方もいてくれますし」
「私はともかく、アインはあまり信用しないでください。ダークエルフは何を考えているのかよくわかりません」
「私達を裏切り、革命軍に身柄を引き渡す、そういうことをするかもしれませんから」
「マリエル、貴方はアインさんが私達を裏切ると、本当にそう思っているのですか?」
「そ、それは……」
「もし、アインさんが裏切るつもりなら、とっくに私達を革命軍に売り渡しているでしょう」
「そもそも革命軍の兵士を殺めてまで私達を助けてくれたのですよ? 今さら私達の身柄を革命軍に売り渡してもメリットがありません」
「た、確かにそうかもしれませんが、エルフ族としてダークエルフを信用するのは難しいです」
「うふふ、あいかわらず素直じゃないですね。マリエルはもう少し自分の気持ちや想いに素直になった方が幸せになれると思います」
「問題ありません。私は近衛として陛下にお仕え出来るだけで幸せなんです。今以上の幸福なんて必要ありません」
「ふぅ、まったく仕方がないですね。いいでしょう、マリエルは今回のお話の中で私に仕える以外の幸せを感じてみてください。いいですね?」
「は、はぁ、善処はしてみます」
「少々、お話が本筋から脱線してしまいましたけれど、そろそろセールスポイントの紹介に戻りましょうか」
「はい! えっと、今回の題目は……ははむすを未プレイの方でも楽しめる内容としました、とのことです」
「くすくす、それは言葉通りの意味ですね。先ほど、マリエルが口にしていたオルティア卿は前作の主人公、そしてアルミナはヒロインの一人でした」
「舞台も同じライドネル大陸、時間軸もほぼ同じ、ということで、私達がこれから経験する物語は『ははむす』の外伝となっているのですが……」
「もちろん主人公も、前作のオルティア卿から、精霊の森に住むダークエルフのアインさんに変更になっています」
「そもそも、今回のヒロインは、陛下に私、エルザ団長にレイラさん、みな別々の出自で母と娘という関係ではないですよね」
「ええ、そういう意味で、サブタイトルがこのゲームの本来のタイトルなのだと、私は思っています」
「ああ、なるほど! 『水晶の女王フィーナ 〜ははむす外伝〜』の方がゲーム内容的にしっくりくる気がします。陛下は立派なヒロインですから!」
「くすくす、ありがとう、マリエル」
「ですが、自分のことを水晶の女王なんて呼ばれるのはさすがに恥ずかしいので、スタッフの方にお願いして変えて貰ったのです」
「う、かなりメタな発言ですが、いったいなんと言ってお願いしたのですか?」
「それは、リニカ王国の女王として、深く、ふか〜く頭を下げてお願いしたのです」
「へ、陛下、笑顔が少し怖いです……」
「うふふ、冗談ですよ。そんなに怯えないでください」
「……」
「本当は『ははむす外伝』の方が、既存のユーザーの皆さんにわかりやすい、ということで『ははむす外伝 〜水晶の女王フィーナ〜』になったようです」
「なるほど。オルティア卿の元に無事に逃げ延びることが出来たアルミナ様母娘……」
「その一方でグリアを制圧したゴラス革命軍は隣国リニカ王国に向けて主力部隊を進めていた」
「はい。その一方のお話というのが今回の私達とアインさんの物語……ということになりますから、本作が『ははむす』の外伝で間違いないと思います」
「それに「母」に「娘」といった言葉は私達に多少は関係があるのですよ?」
「へっ、それはどういうことなのです?」
「うふふ、私はアインさんの妻になり、子を身籠もると約束いたしました。ですから私もいずれ娘か息子を産み、母になるのだと思います」
「マリエル、あなたも私と同じ約束をアインさんと交わしたのですよね?」
「うっ、ええ、まあ、陛下の身代わりとしてですが……」
「くすくす、前作『ははむす』と意味合いとは少々違いますが、私達の物語も立派な『ははむす』だと言えると、私は思っています」
「そう、ですね。アインの妻として子を産むというのは不本意ですが、陛下の仰る通りだと思います」
「それに全く共通性がない、と言うわけではないのですよ」
「そうなのですか?」
「ええ。ここだけのお話ですが、前作からゲストとして私達の物語に手を貸してくださる方がいるのです」
「オルティア卿が来てくれるのですか!?」
「はい、物語の終盤に少しだけ顔を見せてくれます。もちろん私達の味方として力を貸してくれるのですよ」
「ライドネル王国の疾風怒濤、かのアニマ戦役で全戦全勝、エルザ団長も憧れる生ける伝説、オルティア卿が味方として……」
「わぁ、とても心強いです! 僭越ながら一人の騎士として一緒に戦って見たいです!」
「エルザ団長は昔肩を並べて戦ったことがあるみたいですし、私、ワクワクしてしまいますっ」
「ふふ、そうなると良いですね。オルティア卿が来てくれるのなら、絶望的な戦いにも光明が見えます」
「はい! 苦しい今を何としてでも耐え忍んで、一矢報いてやりましょう!」
「ええ。ですが油断は禁物ですよ? オルティア卿が助太刀してくるのは後半……それまでは、アインさんの力を借り、私達だけで何とかしなければなりません」
「わかっています。アインの手を借りるのは正直、癪ですが背に腹はかえられません。共闘して革命軍に抵抗してみます」
「不甲斐ない王ですが、どうかよろしく頼みます」
「そんなこと! 陛下は不甲斐ない王などではありません! 尊敬できる立派な王様です! 陛下だから、皆、命かけて脱出に協力してくれたんです!」
「そうですね。私の為に命をかけてくださった皆さんの為にも頑張らないといけませんね」
「ですが、たまに思ってしまうのです。軍事力を忌避し、経済力と外交に重きに置いた私の政策が正しかったのかと」
「そんなの正しいに決まってます。我がリニカ王国とライドネル王国、そしてゴラス王国の3国は200年以上前から続く同盟関係」
「我が国は対アニマ戦役で後方支援として、ライドネルとゴラスにエルザ団長らを増援に出したり、食料はもちろん武器や防具も提供してきたんです」
「それに我が国から採掘された光る魔石アコンストーンは、ライドネルとゴラスの民に今も夜に光をもたらしているのですから」
「軍事力の代わりに鉱物資源や物資をライドネルとゴラスに提供する、という方策は間違っていません」
「ありがとう、マリエル。そう言って貰えると心が少しだけ楽になります」
「ですが、もう少しだけ、せめて自国を守れるほどの軍隊は持つべきだったと後悔しています」
「以上が今回のセールスポイントの説明となります。イラストが少なく、言葉ばかり退屈だったでしょうが、ここまで読んで頂いた方に心より感謝を」
「タイトルは『ははむす外伝』となっているけれど、ファンディスクのような物ではない、完全新規の新作なんだって理解してくれればそれでいいわ」
「はい、舞台も登場人物もすべて違いますし、お話も敵が前作と同じゴラス革命軍&アニマ軍というだけで、戦う人も場所もまったく違いますから」
「前作『ははむす』をプレイしてなくても。全く、これっぽっちも問題なく楽しめる内容になっているから未プレイに人も安心していいわよ」
「『ははむす』と同じ舞台、時間軸で紡がれる新たなLOVEエロ物語を多くの方に堪能して頂きたいと、そう思っています」
「陛下、そろそろ終わりですが、次回はいよいよ最終回……いつまでもLOVEエロらしく。実用性の高いHシーンの数々、となります」
「くすくす、bootUP!のお約束コーナーですね。私達とアインさんの秘め事を見られるのは、とても恥ずかしいのですが……」
「国力向上……ではなくて、セールス向上の為、言葉通り一肌脱ぐ覚悟で臨みたいと思います」
「むぅ、エルフ族の私がダークエルフであるアインと……くっ、大変に遺憾ですが、近衛として陛下だけに恥をかかせるわけにはいきません!」
「私もお供致します!」
「ふっ、二人だけの問題ではないだろう? 私も参加させて貰うぞ?」
「エルザ団長!?」
「うふふ、あたしも部外者ではないから、参加させて貰うわね」
「レイラ!?」
「陛下、最終回は全員で。皆の力を合わせてセールスコーナーを盛り上げましょう!」
「あたしも微力ながら全力で助力致します」
「エルザ、レイラ、それとマリエルも、みんな本当にありがとう」
「最終回となる次回は、みんなでセールスポイントを紹介し、多くの人々にこのゲーム『ははむす外伝 〜水晶の女王フィーナ〜』の素晴らしさをわかって貰いましょう」
「はい!」
「御意!」
「わかりました」
「うふふ、それではみなさん、最終回となる次回お楽しみにしてくださいね」
——セールスポイント④へ続く——